しばらく前の話になりますが、ネット通販中国最大手、アリババの本拠地杭州へ行ってきました。
風光明媚な観光地として知られる杭州ですが街の風景はすっかり様変わりしております。
アリババと杭州市が共同で実証実験している人工知能を用いた交通管制ソフトウエアが機能しており、
渋滞はさほどなく、交通違反も少ないそうです。
アリババグループが出資している生鮮スーパー「盒馬鮮生」(Hema Fresh)ではモバイル決済サービス
Alipay専用のセルフレジが並びほぼ無人対応となっております。
その代わり従業員はネットで注文を受けた品物を次々と手提げバックに入れ、店の天井に設置されたレールを通して自動的にバックヤードに運ばれ、デリバリースタッフに引き渡されます。
かつて中国の若者はアメリカなどの留学先にとどまることが多かったようですが、近年は帰国して祖国のために働く人が多いようです。又同社出身の起業家が多く、さながらアリババの城下町のようです。
このエリアで急成長している産業は先端技術を駆使したフィンテック(金融工学分野の技術革新)、人工知能、モバイルアプリ関連などですが…
私が特に注目している杭州企業は、中華まんの店をチェーン展開する甘其食です。
この会社は職場環境のみならず従業員の生活環境にまで気を配り、品質管理を徹底して行っております。
お客様により良いサービスを提供することだけを考えフランチャイズ展開せず、直営店舗のみでゆっくりと販売を拡大しています。
この会社の社長は、「商売の本質はいかに早くお金を稼ぐかではなく、いつも相手に利点があるようにすることだ」
と語っています。
近江商人の3方よし(売り手よし、買い手よし、世間によし)を実践している会社なのです。
※近江商人は江戸から明治期にかけて活躍した日本三大商人の1つで、近江国(現在の滋賀県)出身の商人。
商売を長く続ける秘訣として三方良し を実践していた。