今回のブログでは日本人は言うに及ばず、若い中国人でも意外とわかっていない人が多いのではないかと思われる旧暦(陰暦/農暦)について、ごく簡潔にまとめていきたいと思います。
中国に赴任して直面する生活面での大きな変化でまず思いつくものと言えば、言語(日本語→中国語)、通貨(日本円→人民元)、時差(マイナス1時間)、車線(左側通行→右側通行)かと思いますが、もうひとつ避けて通れないのが旧暦ではないかと思われます。
日本でも毎年中国の旧正月(春節)のニュースが伝わってくるので、何となく日本と違うだろうなということまではわかると思いますが、正月や、人によっては誕生日が年に2回あるなどという話はどうにも解せないのではないでしょうか。
まず大前提として、日本では海外との交流が盛んになった明治維新後、世界の基準に合わせる必要からか1872年(明治5年)の12月3日から西暦(太陽暦)を導入しており、正月(元日)といえば当然のごとく西暦の1月1日であるものの、アジアの人々にとっての正月は必ずしも1月1日とは限らないと認識する必要があります。
中国では旧暦と新暦が併用されているため、正月が年に2回ということになるわけですが、中国でいうところの旧暦とは正確には農歴(中国起源の伝統的は暦法)であり、とりわけ農耕の暮らしには馴染みのない若い世代にとっては西暦に重きをおきつつあるイメージがあります。
中国で生活するうえで影響があるのは日本と違う祝祭日でありますが、中国の法定休暇は、春節を含めそのほとんどが農歴由来であるところがやっかいですよね。
簡単に言えば別表の通り、太陽と月の公転周期により祝祭日にもズレが出てくる(月の初めと満月のタイミングが祝祭日になりやすいなど)わけですが、さらには新暦よりも1年間が数日少ないことにより春節などがどんどん前倒しにならないよう、数年に一度閏月を入れて調整しているため、毎年休みがいつになるのか戸惑うことになります。
とは言え普段の生活ではもちろん新暦によるカレンダーで日付が定められているわけで、帰国の際の切符手配には注意が必要であるものの、日本から家族を呼び寄せる際には連休を避けオフシーズン料金で来られるというメリットもありますね。