中国生活事情③ 鉄道旅行

出張や駐在などである程度中国馴れしている人にとっては地下鉄やバスまでは気軽に利用できる交通手段と言えると思いますが、鉄道となると一気にそのハードルが上がるのではないかと思います。

今回のブログでは、その中国の鉄道事情についてまとめていきたいと思います。

まず大前提として、日本のようにJRのみならず多くの私鉄や地下鉄が同じターミナル駅に入り交じって、多くの通勤・通学客が定刻通りに発着する列車に乗り継ぐという光景は世界的にみても極めて珍しいのではないかと思います。

 

私はあまり世界の鉄道に詳しくありませんが、そういう意味では少なくとも日本よりは中国の方が世界標準に近いと言えるのではないでしょうか。

 

日本人で世界の鉄道を乗りこなすというのは、中国に限らずかなり旅慣れた人に限られるのではないかと思います。

基本的に長距離列車主体であり、乗客も通勤客というよりは出稼ぎ労働者といった感じの風貌が目立ちます。

 

ではまず、日本人にとって中国の鉄道を利用するハードルを上げている要因を挙げ、一つずつその解決策を探っていこうではありませんか。

私が思うに、中国の鉄道利用のハードルを高くしているのは以下の3つとなります。

 

① 駅の立地

② 切符の手配

③ ルーズな時刻表

 

① 駅の立地

北京や上海だけでなく、中国の大都市の玄関口となる駅はほぼ例外なく街の中心からはなれた場所にあります。

日本の新横浜や新大阪駅などをイメージしていただければわかりやすいと思いますが、都市によってはさらにアクセスの悪い場所になります。

ですので、長年北京や上海に住んでいても北京駅や上海駅がどこにあるのか知らない人が結構いたりします。

そういえば長年東京に住んでいて東京駅の場所を知らない人って多分ほぼいませんよね。

 

さらに国土面積も人口も日本とは桁違いの中国では大きな都市で玄関口となる主要駅が複数あります。

例えば北京だけでも主要駅が北京駅、北京西駅、北京南駅、北京北駅の4つあります。

 

これらの駅は行先別に分かれているというよりは、ただ単に利用者の増加に伴い新しい駅を次々と持つようになったという中国ならではの現象ですが、切符を手配したらどこの駅から列車が出ているかを確認する必要があります。

日本のようにとりあえず何も考えずに東京駅に向かえばいいというわけにはいきません。

② 切符の手配

中国では日本のように自動券売機で切符を買ったらそのまま改札を通って、駅弁片手に列車に乗り込むというわけには行きません。

 

切符売り場はたいてい改札から少し離れた場所(建物自体が違うこともある)にあり、たいてい長蛇の列となっています。

ですので、かなり時間に余裕を持って駅に着くようにするか、前もって購入しておくことをお勧めします。

 

あるいはわざわざ駅まで行かなくても街中にも切符売場がありますので、手数料は5元程度かかるものの、

ここではほぼ並ばずに購入することができます。

購入の際はパスポートを提示して、乗車日時と行先、座席(1等・2等)、枚数などを伝えます。

 

駅の構造は日本の空港をイメージしていただいた方がわかりやすいと思いますが、駅に入場する前に荷物検査とパスポートチェックをして、行先により別れたホーム番号を確認したらその待機室(飛行機の搭乗口のような場所)へ向かいます。

列車が発車するギリギリまでホームに入れないので、ゲートが開くまで入口付近で待機してアナウンスがあったら切符を通してホームに向かいます。

③ ルーズな時刻表

日本では当たり前のように時刻表通りに列車が発着しますが、これも世界的にみれば珍しいことではないかと思います。

 

国土の広い中国では日本で言うところの普通列車が24時間以上かけて大陸を横断することがザラにあります。

日本で例えれば普通列車が札幌から鹿児島まで夜通し走り続けるイメージでしょうか。

 

必然的に列車の遅れは頻発することとなります。

 

高鐵(中国版新幹線)ではさすがにそれほど遅れることはないと思いますが、場合によっては変更手配する必要があり、時間に余裕を持つなど飛行機移動並みの覚悟が必要となります。

いかがだったでしょうか?

 

 

出発前から気が遠くなりそうな中国での鉄道旅行ですが、それだけに特に普通列車においては中国のローカル感を存分に味わえる場所となっておりますので、是非チャレンジしていただきたいものです。

因みに台湾においては鉄道施設の多くが日本統治時代に整備されたこともあり、駅のつくりや列車の走り方など日本の鉄道イメージと酷似している部分が多いため、手始めにこちらを体験していただくのもアリかと思います。