中国生活事情⑤ カラオケ(KTV)

今回は意外にも中国人にとって娯楽の定番であり、日本人駐在員にとってはまた違った意味?

で楽しみのひとつといえるカラオケ(KTV)について紹介したいと思います。 

中国人の余暇の過ごし方としてまず頭に浮かぶのが王道の麻雀をはじめとした賭け事であり、それはそれで不動の4番と言えるのですが、私が意外だったのはカラオケを楽しむ人が多いということです。

デフレから中々抜け出せないでいる日本に比べれば多少料金が高いものの、家族や親族など不特定人数でのお手頃な遊びとして定着しているようです。

街中には至る所にKTV(カラオケ店)の看板があり、その楽しみ方も日本のように歌っている人だけが別世界といった感じではなく、全員で楽しもうという気概が感じられます。

又、近年では1人でもカラオケを楽しみたい人向けに1人専用のカラオケボックスも流行しているようです。

地区ごとに開催されるカラオケ大会に向けて本格的に練習に取り組む人もいて、それはそれで健全な趣味と言えるのではないでしょうか。

 

 

それはさておき、中国に駐在している日本人にとってもカラオケ(KTV)はゴルフや麻雀と並んで娯楽の定番と言えますが、日本人駐在員がKTVと聞いて純粋な?カラオケボックスを思い浮かべる人はほぼいないのではないでしょうか。

 

日本人にとってKTVといえば、若い女性が横についてお酒とカラオケを楽しむ場所であり、取引先との会食の後、

「それでは、まだ時間も早いのでKTVにでも行きますか?」

などと言って純粋なカラオケボックスに連れて行ったのではドン引きされること請け合いではないでしょうか。

私は日本においてはこのような店に行ったことがほぼ無いに等しいためよくわかりませんが、チップなどを含めた料金相場は日本よりも高いようです。

 

ただ、多くの人が口を揃えて言うのは日本にいた時より断然モテる、とのことです。

 

そりゃーそうですよね。

 

中国人の人件費が急速に高騰しているとはいえ、日本人の給与はまだはるかに高いし、日本では平社員や主任クラスでも中国に来ればインセンティブとしてそれなりの役職はつきます。

部長や工場長クラスであればたいていは総経理(中国でいう社長)になれますからね。

 

そんな中国のお偉いさん?に対して、小姐(中国の女の子)は喜んでWeChat/微信(LINEとフェイスブックを合算させたような中国版SNS)で連絡先を交換してくれます。

そして、仕事が終わったころを見計らって(小姐にとっては出勤直前)労いを込めた温かいメッセージが届くので、日本ではモテたことがないさみしい男にはたまりません。

 

普段はコストダウンに厳しい人が、こういう所ではチップを大盤振る舞いしているのには驚かされます。

たいていは日本語が多少話せるものの、日本へは行ったことがなく地方から北京や上海などに出稼ぎに来ている女の子なので、中国語でコミュニケーションをとれば上達の助けになるし、現地ならではの情報もたくさん教えてもらえるのでそれなりに楽しく、有意義な場所ではあります。

然しながら投資家目線で費用対効果を考えた場合、女の子の笑顔に見送られて大物気取りで店を後にするのはいいが本人が思っているほど女の子には感謝されていないし、何よりも女の子が本当に興味あるのは貴方自身に対してではなく、貴方の財布の中身だという現実を直視すべきだと思うのです。

 

いかがだったでしょうか。

 

もちろん最終的には払った金額見合うだけ本人が楽しいかどうかで判断すべきことですが、社会全体のことを考えれば、本当の大金持ちであれば大いに散財することで経済が回ることになるわけで、何事にもいい面と悪い面があるということですね。

 

とどのつまり、何事にも分相応にということでしょうか。