日本株や米国株であれば、企業が扱っている商品を使ってみるなどしてそのサービスを体感することができますが、中国企業の場合はインターネットでの口コミも少なく、なかなか情報が入ってこないというのが現状です。
中国株の中には、目を疑う程割安で高配当な銘柄も多く存在しますが、わけのわからない銘柄に飛びついて、業績悪化→無配転落→株価も暴落して塩漬け状態、という最悪パターンは避けたいもの。
そこで、私なりに中国企業の銘柄選定手順を考えてみましたので、よろしければ参考にしてみてください。
参考資料:中国株二季報
年2回(6/12月中旬に発売)
参考Web:中国株二季報web
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1.高配当銘柄を選ぶ
配当金の原資は基本的に毎期ごとの利益となりますので、毎年同じというわけではありません。
中国企業は利益が減少すればあっさりと減配する傾向がありますので、過去の配当実績や配当性向から減配・無配転落リスクの低いものを選ぶこととします。
配当性向=(1株当たりの配当額÷1株当たりの純利益)×100% ※50%以下が理想。
配当性向が高すぎると、将来利益が減少した時に配当金も引き下げられるリスクが高い。
主な中国高配当銘柄
銘柄コード |
企業名 |
配当利回り |
PER |
PBR |
00152 |
深圳国際HD |
8.79% |
7.1 |
0.9 |
00934 |
中石化冠徳HD |
6.60% |
5.6 |
0.7 |
01070 |
華電国際電力 |
10.40% |
5.9 |
0.2 |
01313 |
華潤水泥 |
7.81% |
6.1 |
1.5 |
01398 |
中国工商銀行 |
5.80% |
5.2 |
0.5 |
01618 |
中国治金科工 |
5.88% |
3.8 |
0.2 |
01883 |
中信国際電訊集団 |
8.53% |
8.9 |
1.0 |
03339 |
中国龍工HD |
9.35% |
6.3 |
0.9 |
2021年1月現在
※投资は自己的责任です。最終的な投資判断は必ずご自身にてお願いします。
2.割安度を確認する
対象銘柄の株価が割安かどうかの代表的な指標として、PERとPBRを用います。
2-1 株価収益率(PER/Price Earnings Ratio)
PER (株価収益率)は、会社の利益と株価の関係を表していて、割安性を測ることができます。
PER(株価収益率)=時価総額 ÷ 純利益
PERが低ければ低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安であるといえます。
2-2 株価純資産倍率(PBR/Price Book-value Ratio)
PBR(株価純資産倍率)は会社の純資産と株価の関係を表していて、PERと同様に株価の割安性を測ることができます。
PBR (株価純資産倍率)=時価総額 ÷ 純資産
これを使うと、企業の持っている株主資本(純資産)から見た株価の割安度がわかります。
PBRは低ければ低いほど割安であり、純資産は言わば企業の株の資産価値なので、PBRが1倍未満の状況でもし企業が解散したとすると、理論上株主には投資した以上の金額が戻ってくることになります。
一般的な割安基準として、PER(株価収益率)<15であり、
且つPER(株価収益率)× PBR (株価純資産倍率)<22.5 と言われています。
3.財務三表を確認する。
財務三表とは
1.損益計算書
2.貸借対照表
3.キャッシュフロー計算書
3-1 損益計算書
損益計算書は1年間の企業業績を表します。
とりあえず見るべきポイントは、過去5年間の売上高と営業利益の推移となります。
増加傾向、もしくは安定していれば理想です。
3-2 貸借対照表
貸借対照表は企業の決算日時点での財産(資産)と借金(負債)、さらには財産の内の何%が実際の経営に使える資本(純資産)なのかを知ることができます。
損益計算書に比べてやや難解ですので、とりあえず見るべきポイントを自己資本比率に絞ります。
自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値であり、
自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)の式で算出します。
一般的に自己資本比率が40%以上なら財務体質は健全といえますが、その目安は業種によって大きくことなりますので注意が必要です。
業種ごとの自己資本比率の大まかな目安
製造業 |
45%~60% |
貿易 |
40%~45% |
不動産業 |
35% |
銀行 |
9% |
証券業 |
36% |
運輸行(航空/鉄道/海運) |
25%~30% |
外食産業 |
15%~30% |
余裕があれば、さらに流動比率と手元流動性の確認も行います。
① 流動比率の確認
流動比率= 流動資産 ÷ 流動負債
貸借対照表の左右の一番上の数字を比べるものです。
一般的に200%以上が望ましいのですが、業種や会社の規模にもよります。
通常であれば、概ね60%から120%以上あれば問題ありません。
② 手元流動性の確認
手元流動性=(現預金+すぐに現金化できるもの)÷ 1か月の売上
手元流動性は会社の預金とすぐに売れる有価証券などを足した額を月商、すなわち年間売上高を12分の1で割った数字。
通常であれば1.5か月分あれば問題ありませんが、これも業種や会社の規模によりますのであくまで目安ととらえてください。
会社がどのようにお金を得てどのように使ったのかを営業活動、投資活動、財務活動という企業の活動別に区分して表したものです。
A 営業活動によるキャッシュフロー
B 投資活動によるキャッシュフロー
C 財務活動によるキャッシュフロー
A
営業活動によるキャッシュフローは,「本業で稼いだお金」をあらわしていますのでプラスである方がいいことは言うまでもありません。
マイナスであれば利益が出ていない、もしくは売上は計上しているのに現金の回収ができていない、などが考えられます。
B
投資活動によるキャッシュ・フローでは、会社がどれだけ会社を成長させるために投資しているかを表します。
新たに設備を購入するなどの投資を行えばマイナスになり、設備を売却すればプラスとなります。
成長に向けて積極的に投資を続けている会社であれば、投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなりますのでマイナスである方が好ましいと考えます。
C
資金調達額が返済額を上回っている状態であればプラスとなり、借入金の返済分はマイナスで表示されるので基本的にはトータルでマイナスになるのが望ましいと考えます。
4.企業概要と事業内容
参考資料:企業ホームページ
製品紹介や社長インタビューなどから、将来の会社の行方を予測してみます。
事業内容は5年後も10年後も継続可能なものであるか。
顧客に喜ばれる商品、サービスを扱っているか三方よしか等々。
三方よしとは売り手よし、買い手よし、世間によし
江戸から明治にかけて、日本各地で活躍した近江商人らが信用を得るために大切にしていた精神で、商売を長く続ける秘訣と言えます。
三方よし:
売り手よし
買い手よし
世間によし